“芸”を継ぐ初役、南座・三月花形歌舞伎
三月の京都・南座は、『三月花形歌舞伎』。若手が“家の芸”に挑む晴れやかな舞台だ。
16日に観たのは夜の部、市川亀治郎が七役を勤める通し狂言「加賀見山(かがみやま)再岩藤(ごにちのいわふじ)」。お家騒動に亡霊が絡むという波乱の物語は宙乗りあり、早替りありでスペクタクル満載。中でも亡霊の岩藤が、天から満開の桜を愛でてふわふわ歩く宙乗り(“ふわふわ”と呼ばれる名場面!)は、霊なのに超華やかで会場のテンションも急上昇! この演目、市川猿之助の十八番の内のひとつで、亀治郎は叔父の芸に初挑戦。目まぐるしい早替りで、澤瀉屋のDNAを披露してくれた。
昼の部で気になるのは、『曽根崎心中』。五代目・中村翫雀の「徳兵衛」、息子の壱太郎が「お初」に初挑戦し、親子共演。これは翫雀の父で人間国宝の坂田藤十郎がお初に扮して57年間で1303回(!)も上演。翫雀も徳兵衛役を勤め、熟成されてきた芝居だ。これにお初と同年齢の19歳、「お初役は夢だった」という壱太郎が挑み、成駒屋の芸に新たな血を通わせる。こうして、役者自身が研鑽を積みながら、家の芸を次世代へとつないでいくのが伝統芸能の素晴らしいところ。役者と共に歴史を重ねるのも観客の楽しみ。昼の部もぜひ拝見したい!
ミキ
南座『三月花形歌舞伎』3月27日まで上演
2010年3月19日 6:14 PM [鑑楽~ハーコとミキの本気でエンタメ~文楽の世界] コメント(0)







